庭のマスコット
30代の半ば頃から、昔よく聴いていた人たちの曲がTVコマーシャルやドラマのバックで流れることが多くなってきて、同年代が下積みを終え、いわゆるディレクターとして直接制作に携わるようになってきたんだろうなぁと感じることが多くなりました。ちょうど15〜25年前あたりの洋楽のヒット曲がどんどんリバイバルした頃です。
この頃、商品のメイン購買層として狙われたのが、電通が「J世代」と名付け、決して裕福ではないけれど良質な商品を好むとされた35歳から40歳前半の年齢層です。ちょうどこの年代が中学・高校時代に聴いていたヒット曲をB.G.Mに使うことで、親子ともども番組や商品に取り込もうとしていたようです。
おじさん年代としてはやっぱりT・REXやデビッド・ボウイのZIGGY STARDUST時代のグラム・ロックがかかるととてもうれしいし、最近ではスタイル・カウンシルのエバー・チェンジング・ムードがCMで使われたときは、ありゃまぁやるねぇと思いました。
同じくブレーク寸前ぐらいの時期ライブに通っていた邦楽のミュージシャンが、すっかり貫禄のある大物になって、最近次々とベスト盤やトリュビュート盤が出るのはうれしい反面ちょっと歳を感じたりします。まぁ最近のヒット曲のほとんどが昔々バンドやってた洋楽好きのプロデューサーのスタジオ・ワークでできてることを考えると、温故知新でよいのかもしれません。
ジャムやピストルズを聴いてた高校時代を経て、めんたいロックとして盛り上がる直前に福岡に行き、モッズやロッカーズのデビュー当時やシーナ&ロケットの全盛期を間近に見られたことはとても幸せでした。なかでも私のフェイバレット・グループはルースターズという北九州出身のバンドで、高い演奏技術とメンバー・チェンジを繰り返す度に変遷するサウンドがとても魅力的で、残念ながら活動中ブレークすることはありませんでしたが、1988年の解散後12年を経た今も未発表テイクや他のミュージシャンによるカバーが発売される、伝説のカリスマ・バンドとして高い評価を得ています。先日NHKで放送された作詞家松本隆の特集番組のなかで山下久美子が「赤道小町ドキッ」を歌いましたが、その時のギターとベースを元メンバーが担当しており、その音のでかさと切れの良さに再び感心したものです。なんとかフル・メンバーでのステージをもう一度見たいなぁ。
福岡にも結構おいしいお酒はあります。私は「三井の寿・芳吟」というお酒がお気に入りです。このお酒を諫早市高城町にある、私ども夫婦が唯一カウンターで飲み食いできるお鮨屋さん「がんこ鮨」で初めて飲んだとき、「うめぇ!」と思わずうなりました。その後なかなか売ってるお店を見つけることができませんでしたが、どうやら「エスポア〜」と看板がでているお酒屋さんで取り扱っているようです。「ふっと一息ついてひとときを過ごす」という大江慎也の悲痛な歌声をB.G.Mに飲むのも一興かも知れません。
若い世代のために特別注釈
T・REX | マーク・ボラン率いるグラム・ロックの代表的バンド。その代表曲GET IT ONは今サッポロの新製品ビールのCMに使われている。 |
D.ボウイ | 俳優としても活躍するポップ・スター。アルバム「ジギー・スターダスト」は名盤。ちょっと前のNTTのCMに「レディ・スターダスト」が使用された。 |
スタイル・カウンシル | ジャム解散後にポール・ウェラーが組んだブルー・アイド・ソウル・ユニット。大変お気に入り。 |
ザ・ジャム | ポール・ウェラーを中心とした3ピース・バンド。とてもかっこよかった。 |
セックス・ピストルズ | アルバム一枚出しただけのいかさまバンド。でもいかしてた。 |
ザ・モッズ | 森山達也率いる日本の代表的なビート・ロックバンド。日比谷野外音楽堂でのライブは伝説。 |
ザ・ロッカーズ | 陣内孝則率いた高速ビートバンド。解散後陣内は「おしん」の裏番組で視聴率取れなくて「おしんよりかわいそう。」と言われたポーラ愛の劇場でTVデビュー。昔はやせてた。 |
シーナ&ロケット | 鮎川誠と嫁さんがやってる。昔ブラザーのCMにでてた双子の娘の片方はモデルをやってるはず。パリコレにも出てたような気がする。 |
ザ・ルースターズ | ローリング・ストーンズっぽいビート・サウンドでスタートし、中期の美しいギター・サウンドから轟音へ、最後はニューアコースティック・サウンドを極めて解散。大江慎也は初期のリーダーにしてボーカル。精神を病んで脱退。 |
山下久美子 | 大分出身。初代ライブの女王。最近ベスト盤が出たはず。 |