鶴、亀、鹿?とおめで鯛

新潟県弥彦村の弥彦神社
毎月20万人の参拝客があるといいます

 前回花にちなんだお酒を紹介しましたので、今回は動物がからんでいるお酒の紹介とします。

 手元にある日本名門酒会 飯田博氏監修「日本名酒紀行」巻末銘酒勢列に掲載されている動物絡みのネーミングを挙げると、青森の「八鶴」、山形の「米鶴」、宮城の「真鶴」、大阪の「秋鹿」、奈良の「春鹿」、和歌山の「紀の鶴」、徳島の「鳴門鯛」、愛媛の「千代の亀」、福岡の「池亀」といった具合です。

 他にも皇太子ご成婚の際献上された新潟のズバリ「鶴亀」というお酒や福岡久留米の「庭の鶯」、愛媛の「雪雀」や岩手の「浜千鳥」、静岡の「初亀」などがおいしいお酒として最近名を馳せています。あっ、平戸の「福鶴」もいい線いっているので飲んでみてください。ただし、水産のS係長んちの「日鶴」はお酒ではありません。念のため。

 「春鹿」「鳴門鯛」「鶴亀」「庭の鶯」「雪雀」「浜千鳥」は飲んだことがあり、「日鶴」は「みのり」とよく遊んでいます。この中でのお奨めは「雪雀」です。

 前回ご紹介した「梅錦」も愛媛のお酒でしたが、ここ4〜5年梅錦に引きづられて愛媛や徳島といったところのお酒の質がぐんと向上しているようです。対岸の広島のお酒も「酔水」「加茂泉」「雨後の月」と安定した品質を保っており、瀬戸内のお酒は侮れません。

 以前広島に水産物の販売促進を兼ねてスーパー・イズミ(夢彩都の核店舗)のこじんまりとした本社を訪ねた際、瀬戸内料理の店「海舟」で飲んだ「雨後の月」は、その年の日本酒大賞受賞だけあって抜群のおいしさでした。純米でも一升2千円強の良心価格で、純米、吟醸、本醸造と1本ずつ買い求め、翌日の仲間内での宴会のため宅急便で送りましたが、クロネコ・ヤマト広島支店が3本とも粉砕してくれて、宴会の翌日紅葉饅頭40個とともにようやく届いたという残念な思い出があります。

 一概には言えませんが、花や鳥を名前に付けているお酒はやはり華やかなふくらみを感じさせ、鶴や鹿、鯛が名前についているお酒はキリッとした印象があります。お酒についても名は体を表すものなのでしょうか。

 皇太子ご成婚で一気にブレークした「鶴亀」も最近では比較的容易に入手できるようになりましたが、人の話によると献上するお酒はやはり特別製とのことで、同品質のものは幻だそうです。皇太子は日本酒党だそうで「鶴亀」も秋篠宮が新潟を訪れた際、お酒好きのお兄ちゃんのために持って帰ったのがきっかけとのことですが、やんごとなき世界の話ですので真偽のほどはわかりません。

 他にご愛飲されているらしい銘柄にとてもおいしい福井の「黒龍」があり、我が家で催した2000年辰年お正月、壱岐残留組大宴会はこの美酒でスタートしたのでした。

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